もうすぐ4月ですね。

わが家には4月から小学生になる娘がいて、「学校で勉強をする」という新しい日常にワクワクしている娘の様子を見て心和ませているこの頃です。

今日は、そんな娘の入学準備の為にランドセルを買おうとした時、

「小学校のカバンってどうしてランドセルなんだろう。他に選択肢はないのかな」

と考えた事をきっかけに、感じた事や学んだ事をお話ししてみようかなと思います。

ランドセル以外の選択肢

私はこの「ランドセル以外の選択肢」について、子育てをしている友人たちに話を聞いてみました。

「ランドセルは、交通事故に遭ってもクッションとして体を守ってくれるって聞くよ」
「硬いし丈夫だし、教科書のサイズに合っているから使い勝手が良いと思うよ」
「他の子と違うカバンだといじめられるかもしれないから心配」

という、ランドセルを推奨する意見もある一方で、

「値段も高いし、重いし、ランドセルじゃなくて良いんじゃないかとは思っていた」
「同じ理由で、うちはリュックにしていた」

という声もありました。

友人の話を聞きながら、どうも私は『他の子と違うカバンだといじめられるかもしれない』という意見がチクっと胸に刺さって抜けません。

皆と違うといじめられる。そう心配になる気持ちは、頭では理解できます。
できますが、なんだかとても寂しい。

協調性を重んじる文化も決して悪いものではありませんが、多様性を認められない事とはまた別の問題です。

もしかすると私も友人も知らず知らずのうちに、周囲と同じ状態でいる事への安心感を感じながら育っている、という事もあるのかもしれないなと感じたのでした。

ランドセルの歴史と様々なスタイル

少し気になり自分なりに調べてみると、ランドセルは日本だけの文化だと知りました。

少しだけ、歴史のお話をさせて下さい。

日本のランドセルのルーツは幕末、西洋の軍隊制度を導入する際、オランダの兵士が使っていた「背負いカバン」(オランダ語でransel【ランセル】)を採用した事が始まりだそうです。

そして、のちの大正天皇が学習院初等科へ入学する際に、伊藤博文が革製・箱型のランドセルをお祝いに贈ったことでその存在が広く認知されます。
それが戦後の高度経済成長期以降、徐々に人々の間に浸透していき、現在に至ります。

軍用カバンがルーツだから、強度を重視した牛革製がスタンダード。
本革だと流石に高価なので、人工皮革が浸透した現代。
そのルーツを踏襲しつつ、軽量化、カラーやデザインのバリエーションの充実化を図りながら独自の進化を遂げたのが今の日本のランドセルのようです。

一方海外では、リュックサックや手提げカバン、ショルダーバックやカート式のものまで国によって形は様々。
そもそも教科書や筆記用具まで「学校に置いてあるものを借りる」スタイルで、毎日の持ち物はお弁当と水筒と体操服のみ、という国もあるようでした。

歴史や他国の文化を知ると、今自分が見ているものが当たり前のものではないと気付かされます。
今ここにあるのは、この場所で生きてきた人々の経験の積み重ねの結果作られた慣習である。ただそれだけです。

やっぱり私は色々な選択肢からフラットに考えたいと思うようになりました。

例えば、『丈夫さはランドセルには劣るものの、比較的安価なリュックの方が、経年劣化や子どもの成長に合わせて手軽に買い替える事が出来るメリットがある』という考え方も出来るのではないかな、と考えたのです。

 

他の選択肢もあると知ることが大切

私たちの生活の中には、「普通はこうするもの」と捉えている事柄はたくさんあるように思います。
もちろん従来のランドセルも、暮らしに根付いた慣習も、否定するつもりはありませんが、時に一歩引いて俯瞰しながら他の選択肢に想いを馳せることもまた、大切なことかもしれないな。

そんなことを感じたランドセル選びのお話でした。

 

ちなみに、最終的に選んだ娘のスクールバッグはこちらです。

比較的軽量で、従来のランドセルを補う機能性があり、環境に配慮した製法が特徴の製品です。
実際に背負ってみた娘も、「この赤いのが可愛い!」と気に入った様子だったので一安心したのでした。

何はともあれ、もうすぐピカピカの1年生。

新品のランドセルを嬉しそうに祖父母に自慢する娘の姿は微笑ましいものです。

4月から、頑張ろうね~。

 

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ライター:
間宮まさかず

京都市在住。妻、6歳の娘、3歳の息子と暮らしています。
子育てにまつわるエピソードや、日々の暮らしの中で大切にしたい想いなどを綴っていきたいと思っています。