今年も冬至が近づいてきました。2024年の冬至は12月21日。この日を境に再びお日様の時間が延びていきます。冬至の日はユズ湯に入って、南瓜や小豆粥を食べる等、地域によっていろいろな風習があるようです。

【過去記事】冬至に食べるものって?

 

さて、南の瓜と書いてカボチャですが、どうしてこの字をカボチャと読むのでしょう?不思議ですね。

 

◎南瓜の由来

驚くことにかぼちゃの語源は国名カンボジア!戦国時代にポルトガル人がカンボジアの産物として日本に伝えたことから「カボチャ瓜」→「カボチャ」となりました。
南方から日本に持ってきので、南の瓜なのかと思ったらちょっと違いました。実は漢字名の南瓜は中国語。東南アジアから中国に入ってきた瓜ということで南瓜と名付けられたそうです。もともとカボチャの原産地はメキシコやペルーなど中央アメリカのあたりでした。大航海時代に海を渡り、生育環境の合う東南アジアで栽培が広まっていったものと思われます。

 

◎西瓜の由来

同じように中国語由来の瓜があります。西瓜です。西の瓜と書いてスイカ。これも発音と漢字が違うのでよくよく考えてみれば不思議です。
スイカの原産地はアフリカの砂漠やサバンナ地帯と言われています。西アジアとの交易を経て中国に渡ってきたので、西から来た瓜=西瓜となったそうです。日本に入ってきたのは、江戸時代になってから。スイカという日本語の発音は広東語の「サイクワァ」がなまったものだそうです。

 

◎北瓜と東瓜はあるのか

南瓜と西瓜があるなら、北瓜と東瓜もあるのでは?というのが素朴な疑問。調べたところ、日本語として使われている言葉はありませんでしたが、現代中国語では「北瓜」はかぼちゃの方言でした。「東瓜」に関しては日本語にも中国語にもないようです。

 

◎冬至は暦の上での分岐点

春分・夏至・秋分・冬至というのは、意識するしないにかかわらず、地球で暮らしていたら絶対に影響を受ける分岐点です。特に冬至はここから日照時間が増えて太陽の影響が強まっていく始まりの日です。お日様のありがたさは古今東西みんなが感じていること。かつては冬至を一年の始まりとしていた文明があったほどです。

冬の寒さの本番はこれからですが、一日一日、日が延びていくのは有難く、嬉しいことですね。

 

参考
「漢字文化資料館」|漢字Q&A|A0408

「南瓜」はカボチャ、「西瓜」はスイカ、なのに「北瓜」や「東瓜」がないのはどうしてですか?

指宿市|農政課|かぼちゃ
https://www.city.ibusuki.lg.jp/main/machi/nouchiku/page004673.html

指宿市|農政課|すいか
https://www.city.ibusuki.lg.jp/main/fp/machi/nouchiku/page004679.html

Weblio|日中中日辞典|南瓜
https://cjjc.weblio.jp/content/%E5%8D%97%E7%93%9C

 

寄稿者 ほりえりえこ
湘南在住。小学生の娘と暮らしています。今を大切に。日々のなぜ、なに、どうしてを大切に。心が動いたこと、子どもに伝えたいことを書いています。