我が家の軒先から見える植木に黄緑色の小鳥が飛んでくると

「まあ、かわいい鶯(ウグイス)ね」

と、母が嬉しそうに言いました。

 

確かに、鶯色、鶯餅、と言われてイメージするのは柔らかい黄緑色。
まさにそんな色の小鳥が「梅に鶯」と言わんばかりのシチュエーションで目の前に飛んできたら、鶯と思ってもおかしくないでしょう。

 

でも実は・・・

その小鳥は、メジロです。スズメよりちょっと小ぶりで、目の周りがメガネのように白く縁取られているのが特徴です。メジロは雑食性で市街地にも多く生息しています。虫の減る冬場には、椿や梅などの花の蜜を利用するため、人の目にもつきやすいんです。

 

では、本物の鶯はと言いますと、茶褐色のこんな鳥です。

 

だいたいスズメ程の大きさで、森林の下草の間ややぶに隠れてさえずっています。森の中では保護色なので、「ホーホケキョ」と声はすれども姿は見えず。見つけるのはなかなか難かしいです。

 

誰が言い始めたのか「梅に鶯」。図鑑には「昆虫や果実を食べる」とありますので、鶯が梅の木についた虫を食べることもあるのかもしれません。とはいえ、鶯と聞いて黄緑色の鳥をイメージするのは、メジロと混同されているように思われますね。

 

 

落葉樹の葉がすっかり落ちている今、バードウォッチングに最適な時期です!わざわざ森林を目指さなくても、市街地の公園や街路樹や電線にも、よくよく見るといろんな鳥を発見することができます。善了寺の境内にも、お寺の前の柏尾川にも、いろんな鳥が飛んできています。

バードウォッチングの醍醐味は、鳥の鳴き声、姿、名前が一致した時の喜びだと、私は思います。「あぁ、あの声はあの鳥の♡」とつながった時、またひとつ世界が広がった気分になりますよ。

 

参考文献
「野鳥図鑑」柴田佳秀 日本文芸社 2019