2020年以降、新型コロナウイルスにより大きく生活がかわりました。
自分の人生を見つめ直す時間が増え、将来設計が変化しつつある方も多いのではないでしょうか。
東京の有楽町にはふるさと回帰支援センターという地方移住の相談窓口があります。
ホームページへのアクセスは年々急増し、2020年のアクセス数は月に20万PV(ページビュー)を超え、
2010年の4.6倍という結果になっています。
2011年以降、自然災害や新型コロナウイルスの影響による
地方移住への関心の高まりが反映されていると言えるのではないでしょうか。
私たちも以前は横浜の小さなアパートに住み、夫は都内に通勤する公務員でした。
首都圏での東日本大震災の経験と、その後子どもが生まれたことをきっかけに地方移住を考えるようになり、
ふるさと回帰支援センターに相談しながら地方を実際にめぐりました。
3歳と2歳の子どもを連れ家族4人で、
2019年の春から香川県にある瀬戸内の離島、小豆島に移住しています。
私も夫も出身は東京と横浜という大都市です。
生まれ育った場所に戻るUターン移住に対して、
何のゆかりもない地方へ都市部から移る住む形をIターン(アイターン)移住といいます。
このIターン移住から見える離島の暮らしについてお届けします。
なぜ小豆島? ~移住地を決める際に重要なこと~
子どもを自然豊かな環境で育てたい、通勤ラッシュや長時間労働で消耗する生活を変えたい、家族で過ごす時間を大事にしたい…、私たちの地方移住は、そんなよくある動機から始まりました。
実際に移住する土地を決めるまでには多くの選択肢があり、人によって優先順位は変わります。
自治体の支援が充実している、有名な観光資源がある、状態の良い古民家がある、
頼れる人がいる、子ども関係の設備が充実している…。
移住地を決める際には相談窓口やネット、現地の視察で情報収集しながら、
家族でたくさん話し合いをして、これだけは譲れないという条件を絞ることが何より重要です。
すべてにおいてパーフェクトな場所はありませんが、
例えば私たちは温暖であること、自然豊かであること、
かつ都市部からのIターン移住者が多い場所を条件にしており、
その結果瀬戸内海の小豆島に行き着きました。
昔ながらの里山の風景が好きな夫にとっては、
小豆島の青い空のもとに広がる風光明媚な棚田の風景が魅力的でした。
現代アートや建築に興味がある私とっては、
瀬戸内国際芸術祭が3年に1回開かれる舞台となっていることも大きな魅力でした。
とはいえ現実的なすり合わせも重要です。
仕事はどうする? 保育園は受け入れ可能?
住める家はある? 車は必須? ご近所付き合いは…?
地方移住を成功させる最も重要なことは…『仕事の確保』!
せっかく移住しても、経済的な基盤が不安定ではどんなに気に入った場所でも数年のうちにその地を去らざるをえないこともあります。長期的にできる仕事を得ることが何より大事です。
しかし、やはり都会と比較すると地方には仕事が少ないので、希望通りにいかないこともあります。
一般的に地方では、医療、福祉、保育、教育、土木、運送、農林水産系の資格・経験があると求人とマッチングしやすく、
受け入れ側は人材不足であることも多いのですんなり仕事が決まることもあります。
小豆島ではこれらの他に、飲食、物販、宿泊などの自営スキルがある人が多く定住している印象です。
地元の産業(旅館、醤油・佃煮工場など)の求人もたまにあります。
その他に、自治体ごとに募集している地域おこし協力隊になるという手もあります。
主に任務は3年で、内容や募集時期は自治体により色々、
修了後の定住率は6割ほどだそうです。
我が家のケースでは、私が介護職の資格を持って島で介護の仕事につき、
夫は地域おこし協力隊になりました。
長期的な経済基盤をつくるのはこれからなので、まだまだIターン移住の過程の途中にいます。
今後はテレワークがさらに進み、
転職せずとも好きな場所にIターン移住する人が増えるかもしれません。
せっかく希望の場所に移住したからには、しっかりと経済的基盤を作り、
安心して暮らしの中身を充実させたいですね。
長くなりましたが、お読み頂きありがとうございました。
今後も離島の地方移住にまつわるトピックを発信していきたいと思いますので
少しでも楽しんで読んでいただければ幸いです。
(小豆島の玄関口、土庄港ちかくの砂浜からの夕焼け)
参考
認定NPO法人 ふるさと回帰支援センター 2020年度年次報告書 https://www.furusatokaiki.net/about/nenji/
人と仕事をつなぐ人∞仕事通信
https://workin.jp/hito-shigoto/category/uiturn/