本日のお朝時に、初めて善了寺に来られたという若い男性がお参りされました。もちろん、毎日同じお顔にお会いできることも、とても尊い事だと思っていますが、こうして初めてのご縁に出会えることはさらにうれしく思います。

仏さまが伝道し続けておられるからこそ、このように新しい方が仏法に出遇い続けることができるのだと思います。その男性は、本堂正面の基礎の穴太衆(あのうしゅう)積みという石の壇に興味を持たれて、お朝事にお参りされたということでした。仏さまのはたらきは「色も形もましまさず」と経典に書かれております。それでいて色々なものに姿を変えて私たちを仏法の道へといざなってくださるのです。

今日は、仏さまは、まさに石にもなられて、我々を導いてくださっているのだと感動しました。

穴太衆と本堂・聞思堂の石積み

善了寺本堂と第二本堂「聞思堂」の石積みは、古式特技法「穴太衆」株式会社粟田建設様に手掛けていただきました。

その技法は「穴太積み」と呼ばれ、千年以上前から続く石積みの伝統的なもので、お城の石垣などに使われています。

聞思堂の石積みは、2012年に粟田建設代表取締役の粟田純徳(すみのり)さんのご指導のもとワークショップを行い県内外から28人が参加してくださいました。

本堂の石積は、2015年に粟田建設 会長の粟田純司(じゅんじ)さんが陣頭指揮をとり、本堂基壇の石を積んでくださいました。

使われた石は山で採掘された自然のもので加工をせずに、元々ある角や面を利用して形を作っていきます。

石の隙間を埋めるのは、「たたき」と呼ばれる石灰や土を混ぜたセメントのようなもので、いわゆる科学的なセメントで固めることなく積み上げてゆくのです。

粟田社長は先代、先々代から「石の声を聴け。そうすれば石がどこに座りたいのかわかる」と習ったと言われ、その通りに実行してゆくと、自然石の石が削らないでもぴたっと収まると言われました。

「石の声を聴く」それは、「仏さまの仏法を導く声」でもあったのだと、8年前にお聞きした粟田社長の声が響いてきました。

2012年のワークショップの様子を善了寺住職の昔のブログで紹介しています。
http://zenryouji.blogspot.com/2012/02/blog-post.html

 

横浜・戸塚
善了寺 坊守