- 住職のつぶやき
- 2020年4月17日
離れていても、つながっている
世情不安の中、こころからお見舞い申し上げます。
今、私たちは物理的に人とひとの距離を開けなければならない時代を生きています。誰もが不安や心配を抱えながら、距離をとりますよね。そんな時だからこそ、ゆっくり深呼吸しながら何のためにこんなことをやっているのかということにいつも立ち返ることが大切なのだと思います。
大切な人を思いながら、大切な人の笑顔を思いながら、距離をとってみませんか。そんな思いの中で、出遇った歌がありました。
辛島美登里さんの「きっとまた会えるね」という歌です。親鸞聖人750回大遠忌法要記念アニメ念仏物語『親鸞さま ねがい、そして ひかり。』のテーマソングとなっています。
歌詞をご紹介したいと思います。
永遠を刻む地球(ほし)で あなたとの一秒がどんなに時が過ぎても 色褪せないのはなぜ
桜吹雪の舞う丘で あなたを想いましょう
陽だまりの坂道で 辿った日々を振り返れば 嬉しいこと 悲しいこと 花びらのように微笑むから
どうしてる? 今どこにいる?
きっとまた会えるね傷ついた時やっと 見えてきた たくさんのやさしさに触れながら 旅を続けるのなら
夕暮れ紅葉に染まる空 幸せ願いましょう
陽が落ちて 夜がきて 星があなたを照らすように離れても 遠くても その愛は届くよ、信じて
大丈夫 朝はくるからまぶしい光の中
桜吹雪の舞う丘であなたを想いましょう
大好きな 大好きな 名前を呼べば懐かしくて いつまでも いつまでも あなたは私を温める
違う道 でも、同じ空 みんなひとりじゃないどうしてる? 今どこにいる?
きっとまた会えるね
親鸞さまは生涯、お師匠様法然さまをしたい、その教えを大切に聞き続けてゆかれました。生涯の中で、法然さまに直接学ばれたのは約7年間。その後は、理不尽な世情の中で、離ればなれになり、お会いすることはありませんでした。
しかし、晩年にお書き残し頂いた『西方指南抄』や『高僧和讃』そして、『教行信証』などでは、感動をもって法然さまとの出遇いを書き残しておられます。離れている距離や時間空間を超えて、生死を超えて、つながっているお二人の歩みこそ、今、私たちに道を示してくださるのではないでしょうか。
親鸞聖人750回大遠忌法要は、2011年におつとめになりました。東日本大震災の年です。そのときの歌が、今このコロナウィルスが蔓延する世界にもう一度大きなメッセージを運んでくれているのだと思います。是非、大切な人を思いながら味わってみてください。