善了寺のお朝事(朝のお勤め)では、朝一番でお供えしたお仏飯を、お参りされた方に、最後にお配りしています。

全部で6つのお仏飯になりますが、6人以上お参りされたときは、常連の方がゆずられます。「どうぞ、どうぞ」とゆずり合う姿にいつも感動します。本当にすばらしい姿だと思います。

お仏飯をお配りするのは、善了寺ならではの特色です。お仏飯に限らず、仏さまにお供えしたお供物などを頂くことは、よく「おさがり」と言い慣わしていました。敬いの心を表す「お」が付いています。これは、「おさがり」が単なる栄養補給のためではなく、頂いた「いのち」である実感を伝えるためです。「おさがり」という言葉も、仏様と「わたし」のいのちがバラバラではなくつながっていることを味わう大切な言葉なのです。

昔は、お家でも頂きものをお仏壇にお供えしてから、みんなで頂くという光景が、どのご家庭でも、よく見られました。善了寺のデイサービスでも、お仏壇にはいつもお供えが上がっています。通われているみなさんの習慣のなかにあるんですね。時代を越えて本当に貴い習慣だとおもいます。

ともに食事をすることを丁寧に味っていくための、きっかけとして、よろしければ実践してみて下さい。

お供えをいただく習慣の中で、み仏とともに頂くお食事は、一人で食べる事があったとしても決して「孤食」ではありません。