毎年、戸塚・善了寺の境内で和綿を育てています。
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上の写真の通り、完全な無農薬無肥料の天然の茶綿が、ワタワタとできてきました。さぁ、楽しい楽しい綿摘みです。去年を思い出すと、そのあとは、綿繰りに糸紡ぎに生地を織るのだっけ?

そして「去年の綿はどうしたの?」必ず聞かれるこの、心に突き刺さる言葉。確かに、聞かれて当たり前。綿は、他の草花と違って、枯れないので、保存が効くことを良いことに、もう、ずいぶん寝かせているんです……

そんな、貴重な天然のコットンを寝かせておきながら……

夏に、子どもが、「作務衣がほしい」と言うので、生地を買ってきて、縫ってやったら、気に入ったらしく、よく来ているので、ソロソロ冬物を作ろうかなと思っていた矢先、なんと、ネットでお手頃なのを見つけてしまったのです。

2着買っても、この値段かと、思うと、自分の手間と、指一本のワンクリックを天秤にかけ、押してしまったのです。翌日には、もう、子どもは冬物の作務衣を 着ることができ、「あー、良い時代になったわ」と、思っていたら、子どもに、「手作りすると思ってた。クリックに負けたね」とトドメの一言が。

「ハイ!惨敗です」

 

文:横浜戸塚・善了寺 坊守(※)
※「ぼうもり」と読みます。住職の連れあいです。
鎌倉時代から大切にされてきた言葉なんですよ。
時々つぶやきますので、優しくお付き合いください。