2017年11月11日「『しあわせの経済』世界フォーラム2017」が開催されました。その開催に際して、サティシュ・クマールさんが来日され、戸塚・善了寺へも訪問してくださいました。

そして2017年11月9日に、サティシュ・クマールさんをお迎えしての「ゆっくり小学校 特別授業」が開催されました。その際に、サティシュ・クマールさんが語り、辻信一さんが通訳した内容を書き起こしたものを公開させていただきます。少し長くなるので数回に分けての公開となりますが、ご一読いただけますと幸いです。

こんにちは!!!
お陰様!!!!! 

11月8日の朝から今日までこの瞬間まで、一緒にずっと旅をしてきました。一昨年の春以来です。ちょうど桜の盛りでした。日本が大好き、日本人のことが大好きで、日本の方も私のことが大好きなんですね。というわけで相思相愛の中です。

前回「ビノーバ・バーベの本を訳して出したときに私は来る。出さない限り来ない」といったんですけど、ちゃんと出してくれた。今までの彼を見たこと聞いたことがない人は、この本を通じて、素晴らしいものを見出すでしょう。

賢い人でした、活動家でした、そしてなによりも歩く人でした。ビノーバ・バーベは16万キロ。13年間留まることなく歩き続けた。そしてその歩く過程が学校だった、私を含む生徒たちが学ぶ、歩く大学だったのです。9か国語を操る人でした。日本語さえ学んでいた。

そしてそのお弟子さんの一人が日本人で、その日本語を教えていたお弟子さんは、今もインドの彼が作ったアシュラムに暮らしています。そして五つの五大宗教といわれる宗教の聖書の数々を彼はヒンディー語に訳した人でもあります。ですから皆さんぜひこの本読んでください。そしてインドを訪ねたら、彼はそこには肉体としてはありませんけども、彼のアシュラムをぜひ訪ねて頂きたい。

さて、私はですね、今日この仏教寺院にいる事を、とても幸せに思っています。仏陀は私にとって常に最大の導きであり、私の魂を導いてくれる。今も導いてくれている人です。

2,600年前にそのころは地球温暖化も気候変動もない。その時に彼は人々に地球の友であれ、大地の友であれと説いたんです。両の手を重ね合わせて、彼はあるときに瞑想をしていました。左手が下でその上に右手の掌が上に向いて。息子が聞きました。「あなたは悟りを開いた人ですが、悟りの証人は誰か。あなたは世界的な師です。ではあなたの師は誰ですか?」

すると彼は無言で左手で大地を指さした。「大地こそが私の証人であり、私の師である。」次にこう聞いたんですね。「ではその師はあなたに何を教えたのですか?」答えはこうでした。

「私は大地から寛大さ寛容さを学んだ。一つの種を大地にまく。それだけで大地は何百何千もの柿、リンゴ、マンゴーを実らせ、そしてその中に種をまたたくさん与えてくれる。それが大地の心の広さ。だからそれを通じて私はそれを世界に伝えている。そしてまた、私は大地から共感。許しの心を学んだ。私たちが大地を駆け回り、踏みつけても、全て大地はそれを許してくれる。」

そしてそれから2,600年、私は環境活動家であり、社会変革者として生きていますけど、その私の中に常にこの2600年前の教えが響き生きている。そのころヒンディーの多くの思想家や哲学者たちが、論争を繰り返していた。私はこれを信じるとか、私はこう考えるとか。

しかしブッダの態度というのは、そんなものみんな忘れてしまいなさい。何を信じどんな考えを持っているかが重要ではない。大事なことはそれを生きることだ。それがどうしたら苦しみ、この世界に起こる苦しみをなくしていく事ができるか。

その道はエゴそして恐怖、怒りから自由であれば、すべての問題は解決する。というわけで苦しみから私たちが解放される道は、許しと寛容さを自分で体得すること。そして恐れから自由になること。そしてお互いに面倒を見あって、お互いに慈しみ合うことによって、なのです。

(つづく)

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