- 住職のつぶやき
- 2018年5月28日
「降誕会」での住職のお話
5月21日、戸塚・善了寺本堂にて「降誕会」という法要が行われました。
その際の住職のお話をご紹介させていただきます。
5月21日は、親鸞さまのお誕生をお祝いする降誕会(
ごうたんえ)です。親鸞さまは、 9才の時から比叡山でご修行されましたが、 29才の時に法然さまに会われて、お念仏こそ、 苦を越える道であるという教えにであわれ、 比叡山を下りられました。 親鸞さまは「あみださまの願い『われにまかせよ。必ず救う』
のお念仏は、山の上で修行している人のみが救われるのではなく、 私たちの日暮しそのものを救わずにおれないと、 苦悩の現実をてらしてくださるのです」と説いてくれました。 私たちの時代の有り様を『五濁悪世(ごじょくあくせ)』
と表します。
- 『劫(こう)濁』:時代の濁りは、
不透明な時代を見通す事が難しい様 - 『見(けん)濁』:もののみかた、価値観、がにごってきている様
- 『煩悩濁』:むさぼりや怒りなど、煩悩が複雑にはびこる様
- 『衆生濁』:生きとし生けるものの資質がさがる様
- 『命濁』:刹那的にしか、命の時間を捉えられない様
お念仏は、ドロの沼の中(五濁悪世)から美しく咲く蓮の花(
み仏のすくい)のような功徳を持つと、いわれます。 親鸞さまが、私たちとともに歩んでくださっている日暮しは、
五濁悪世と気づかせてくださったとき、 気づいたそのままがお念仏の功徳なのです。
このように、わたしは、味わわせていただきました。
文:坊守
※「ぼうもり」と読みます。住職の連れあいです。
鎌倉時代から大切にされてきた言葉なんですよ。
時々つぶやきますので、優しくお付き合いください。