先日、辻信一先生とブータンの山奥にあるチモン村へ行って、感じたことを少しずつ書いていこうと思います。他のブータンの写真や記事は「住職のつぶやき」から、ご覧いただけます。

サムドルップ・ジョンカー イニシアティブ(SJI)が活動する街の課題として、人口流出・人口減少そして高齢化という現象が起きていました。そしてグローバリジェーションの潮流は間違いなくブータンにも届いていました。

見学させていただいたSJIの有機農業運動という暮らしは、地球という命とのつながりそのものを取り戻す運動ということができます。それは、暮らしが世界と繋がっていることを実感する中で、展開されているのだと思います。

それは次世代の若者が農業にたずさわって欲しいという願いがSJIの活動にもいきています。

牛とともにある暮らし

それは、ブータンにおける仏教が壮大な世界観を背景に成り立っていることと決して切り離すことはできません。グローバルな視点を持つ暮らしなのです。だからこそ、地球生命との「きづな」を断ち切るように、展開されるグローバリジェーション経済のあり方に警鐘を鳴らすことができるのだと思います。

「ライフスタイル」というようにカタカナで表記することで、軽く選択できるような気がしてしまいます。でも、暮らしはそんなに単純なものではなく、都会に憧れていく若者たちにどうやって伝えていけば良いのかとても苦悩されていました。

私たちが「しあわせの国ブータン」というような憧れを押し付けていくのではなく、人間として「私たちはここで暮らしているんだ」という、力強いメッセージをいただいたように感じました。そして、次の実践として、有機農業という暮らしの中で、「種」を大切にされていました。生命の多様性を守る「シードバンク」です。

牛とともにある暮らし②

牛糞の有機肥料。実は臭くないんです。