- 還る家「ともに」
- 2016年8月9日
あっという間の95年…という人生
7月23日、デイサービスに通われている中で最高齢のサクさんが誕生日を迎えられました。
大正10年生まれ、95歳!
そして、なんと、善了寺住職と同じ誕生日!
誕生日会では、サクさんよりありがたい一言を頂きました。
「いろんなことがありすぎて、あっという間の95年でした…」
「戦争中、お腹をすかしていた人にたべさせてあげたい…」
日頃、デイサービスご利用中にサクさんは色々なお話を聞かせて下さいます。
戦前から戦時中、とあるお屋敷にご奉公へいっていたサクさん。それまで育った田舎では「おれ」「おめぇ」と言っていた生活から一転、東京のお屋敷で「…あそばせ」「かしこまりました」と、言葉や習慣の違いに戸惑いながらも色々な事を学んだこと、ご奉公していた方の親族には海軍大将がいて、額をかいてもらったこと、お屋敷に出入りしていた海運会社の社長さんから「人生は努力と運だ。運がない人もいるが、決して見下してはいけない。」とお話を頂いたこと…。
今の私たちでは想像もつかないような、まるで映画やドラマを見ているような、激動の時代を生きてこられました。このような体験がいくつも重なって、サクさんは、いつもニコニコ朗らかで、やさしく、他者への思いやりも絶えない人柄となっていったのだと感じました。デイサービスで、まさかこんなお話が聞けるとは思いもせず、とても貴重なお話を聞かせていただけるのは本当に有り難いことと思います。
人からよく、「介護しているの?えらいねぇ」といわれますが、とんでもありません。介護する側、される側、という関係でなく、私たちは人生の先輩から色々な体験を聞き、一緒に生活させて頂き、人生を学ばせて頂いています。こんなめぐり合いをさせて頂いたご縁に感謝しています。
誕生日会で、「来年もまた住職さんと、一緒に誕生日会をしたいです。」とサクさんはおっしゃられていました。お二人とも末長くお元気でいて下さい。
本当におめでとうございました。目指すは100歳…ですかね?!
文:溝口